ごまめ~の~いっちょかみ

落語・読書・うどんに、ごまめがいっちょかみでおます。

百年の短歌~三枝昻之

 

☆☆☆

 

この頃しっくりこない短歌の世界。「百年の短歌」と言いながら平成後の短歌しか目に入らぬ私。73歳の私にして、半世紀前の歌はすべて心に留まることなく通り過ぎてしまう。

まだまだ、味わう事の出来ぬお子様の私が選ぶ歌は9首。

帰り来るを立ちて待てゐに季のなく岸とふ文字を歳時記に見ず・美智子皇后

秋の始まりは動物病院の看護婦とグレートデンのくちづけ・穂村弘

ぼくも非正規きみも非正規秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる・萩原慎一

老いぬれば事ぞともなき秋晴れの日の暮れゆくもをしまれにけり・谷崎潤一郎

ポケットにキリストの像常にあり所在なき時吾は撫でてをり・富小路禎子

そうですかきれいでしたかわたしは小鳥を売ってくらしています・東直子

売りたくはないけど売れる本並べて腎臓なんかも売った気がする

三越のライオン見つけられなくて悲しいだった 悲しいだった・平岡直子

空中に繰り返し指で書く「い・た・い」はあと一文字で「あ・い・た・い」・俵万智